緩くいこうぜ、人生長いんだ。

お前の人生ようやく始まったようなもんじゃん。

【感想】ノルウェイの森

初めてまともに村上春樹さんの本を読んでみた。

非常に惹き込まれ、他の作品も読んでみたいと思った。

 

初めて村上春樹さんと出会ったのは大学二年生頃の事。

風の歌を聴け」か「海辺のカフカ」を読んでみた。

「はぁ?」という感想しか抱かなかった。

なんかすかしたやろうがすかした行動をしてすかしているだけ。

「二度と読むか馬鹿野郎」と思った事を覚えている。

それ以来約五年間、読まず嫌いの「アンチ村上春樹」として過ごしてきた。

しかし、ここにきて有名な小説を読んでみようと思い、「ノルウェイの森」を手に取った。

 

本題。

この作品のテーマは、「子供から大人への成長」だと思う。

主人公のワタナベは、「子供から大人への成長過程の子供」として描かれている。

同様に、ヒロインの直子と緑はそれぞれ「純粋であり続けたい子供」と「子供らしくいたいけれども、大人になることを受け入れた子供」として描かれている。

 

ワタナベは、二十歳を迎え、子供と大人の間で揺れ動いている。

そんな中、純粋さの象徴である直子を大切に思う一方で、自分と同じように大人になろうとしている緑も大切に思う。

緑(大人)から言い寄られるものの、ワタナベは純粋さの象徴である直子(子供)の事を大切に思うため、直子のそばにいようとする(子供のままでいようとする)。

しかし、直子の死と共に、それまで大切にしていた純粋さが失われてしまう。

それは一時的にワタナベを打ちのめすが、直子の事は大切に胸にしまいながらも前に進もう(大人になろう)という決意が生まれる。

そして、最後に緑に話をしたいと電話をかける(大人になろうと進む)。

 

このように、全編を通じてワタナベが子供から大人になろうと成長する姿が描かれている。

私自身、今現在自分の中の子供性と大人性の間で色々考えている人間なので、この物語は非常にシンクロした。

いつまでも純粋でいたいけれども、様々なものを受け入れて成長していかなければならないという強さと哀しさをたたえた物語だった。