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緩くいこうぜ、人生長いんだ。

お前の人生ようやく始まったようなもんじゃん。

【感想】TVピープル / 村上春樹

村上春樹さんの短編集。

正直に言うと、あまりよく分からなかった。

ノルウェイの森」や「世界の終わり~」は長編だから、一つのテーマがあるのが感じられたのだけれども、短編集は集められたものが一貫したテーマを持っているかどうか分からないからいまいちピンと来ない。

 

本書は、6つの作品が収録されている。

不気味な雰囲気と奇妙な展開で先が気になる話ばかりだ。

ただ、どれも終わりが尻切れトンボのような感じなので、毎回「ここで終わるんかい!」と突っ込みを入れていた。

それが村上春樹の魅力なのかもしれないが、なんともすっきりしない終わり方だ。

きちんとオチが付いていないとこちらも落ち着かない。

 

どの作品にも共通していることは、主人公が普段は意識しないことと認識するようになるということだ。

TVピープル」という作品では、主人公には謎の存在TVピープルが見えるが、他の人には見えない、あるいは無視されている。

「眠り」という作品では、主人公の女性は眠れなくなることでそれまでの自分の生活がいかに固定的であったかに気が付く。

 

私達の行動の多くは固定化され、無意識なものになっている。

無意識化は脳にとっての生存戦略だが、行動自体がぼやけてしまうという弊害もある。

無意識下にある行動を、意識という光の元に晒した時、人は自分の行動を再認識する。

その時、初めて人は自分の行動を客観的に見ることが出来る。

 

本書を読んだ後、自分の行動に意識を向けてみると、意外と無駄な事をしていたり、姿勢が悪かったりと、様々な事に気が付けて面白かった。

 

 

村上春樹がこの作品を通じて何を伝えたかったのかは分からない。

もしかしたら、何も伝える気なんてないのかもしれない。

そんなことを色々考えたり、話合ったりすることが、小説を読むことの醍醐味なのかもしれない。

なので、もしもこの作品に関して他の方の感想があれば、是非教えていただきたい。

TVピープル (文春文庫)

TVピープル (文春文庫)