緩くいこうぜ、人生長いんだ。

世の中どうでも良いことばかりだよ

アドラーと切り株

数年前から「嫌われる勇気」という本が大人気だ。

心理学の巨頭アドラーの考え、アドラー心理学を平易な文章で伝える良書。
私にも大きな影響を与えてくれた一冊だ。


本の中で述べられているアドラーの考えをまとめると以下のようになる。

「自分というものは今この瞬間にしか存在しない。過去も未来もなく、今この瞬間を生きる自分を受け入れ、生きていくのだ!」

初めてこの考えに触れた時、私は「そうか!今の自分を受け入れるんだな!」と意気込んだ。
しかし、全く上手くいかなかった。
どれだけ今の自分を受け入れようとしても、出来なかったのだ。
むしろ、嫌な過去ばかり思い出し、疲弊していった。

それは、私が「今の自分」というものを誤って捉えていたからだ。


人間は切り株のようなものだ。
「今の自分」は、無数に存在した「過去の自分」の積み重ねの結果だ。
「過去の自分」は無数の年輪となり、それらが積み重なることで「今の自分」を形作っている。

なので、「今の自分」を受け入れるということは、切り株全体を受け入れるということなのだ。


私はその事実に気付かず、ただひたすらに一番新しい輪を受け入れようとしていた。
しかし、その輪は過去の輪が積み重なった結果なので、やればやるほど嫌な過去が顔を覗かせ、疲弊していってしまった。


「今の自分」を受け入れるには、まず「過去の自分」を受け入れることが欠かせない。

あんなことがあって悲しかった。
こんなことがあって嬉しかった。

一つ一つの思い出、経験を思い出し、受け入れる。

それは非常に辛い作業だ。
これまで封印していた嫌な思い出を甦らせてしまうかもしれない。
精神的な負荷が高いので参ってしまうかもしれない。
だが、その作業無くして「今の自分」を受け入れることは絶対に出来ない。


何もかもを含めて「これが今の自分だ」と受け入れることが出来た時、
全く新しい一歩を歩めるようになるはずだ。

その時初めて、まっさらな気持ちで、今この瞬間を生きることが出来るようになるのだ。