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緩くいこうぜ、人生長いんだ。

お前の人生ようやく始まったようなもんじゃん。

【感想】君の膵臓をたべたい / 住野よる

6/50

 

「よるのばけもの」の作者、住野よるさんのデビュー作にしてヒット作。

今度映画化もするみたいですね。

「よるのばけもの」が中々面白かったので、遡って読んでみました。

(「よるのばけもの」の感想はこちら)

mochiarion.hatenablog.com

 

一言で感想を言うと、そんなに大ヒットするほどかなぁ、という感じ。 

 

主人公は、クラスの中で目立たず人との接点を持たないようにする高校生。(名前は物語の終盤まで明かされないので書きません)

彼は偶然にも、明るくてクラスの人気者、山内咲良の秘密を知ってしまいます。

それは、彼女が膵臓の病気で余命幾ばくがだということ。

咲良は、彼を唯一秘密を知るクラスメイトとして、様々な行動を共にします。

彼はそんな咲良を疎ましいと思いながら、行動を共にする中で、彼女への想い、人と付き合うことに対する想いを変えていくのです。

 

物語の前提として、ヒロインが死ぬことが既に決まっています。

なので、もちろん死ということが作品の根底に横たわっている訳ですが、それに対する悲壮感や哲学的な論考はあまりなく、人と人の繋がりに焦点が当てられています。

作中で何回も語られる通り、死ぬことは誰にでも平等で、当たり前のこととされた上で、咲良と彼の出会いと、それによる成長が描かれています。

 

咲良が常に明るく振る舞うキャラクターなので、 物語は明るい雰囲気で進んでいきます。 

とはいえ、どんなに阿呆な人でも、それは死への恐怖を振り払うための演技であることは分かるので、どこか重苦しい空気が漂います。

その空気は咲良が亡くなる物語の終盤まで続きます。

逆に言うと、咲良が亡くなった後は、それまでの謎や、彼の心境も変わるので、一気に晴れやかな雰囲気に変わります。

そのカタルシスというか、爽快感は読んでいて気持ちが良いです。 

 

全体として良いのですが、一点だけ文句があるとすれば、咲良の死因です。

ネタバレになるので具体的には書きませんが、咲良は膵臓の病気ではなく、別の要因で突然死にます。

その伏線はあるのですが、かなり唐突で、「は?」という感じです。

物語的には、「死はいつでもそこにあるもの」というメッセージなのかと思いましたが、どうにも納得出来ません。

そこはちゃんと膵臓で死んでほしかったです…。

 

 

実写映画化するらしいですが、個人的には雰囲気やキャラクター的にシャフトでアニメ化してほしいです。

独特な言い回しややり取り、間を表現するのには、ぴったりかと思います。 

 

 

住野さんの本は、これと「よるのばけもの」の間に刊行された物語があるそうなので、それも読んでみようかと思います。

 

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい