緩くいこうぜ、人生長いんだ。

お前の人生ようやく始まったようなもんじゃん。

【感想】すべてがFになる / 森博嗣

7/50

 

今までほとんど読んだことがないミステリー小説です。

テレビドラマとアニメにもなっていたらしいので、名前は知っていました。

なので、昨年末のブックオフで偶然見つけた時に試しに読んでみようと思って手に取りました。

 

 

ミステリーをほとんど読まないので、正直どう楽しめば良いのか分かりませんでした。

物語の進み方やテーマなどはとても面白かったのですが、トリックが「えー…」という感じ。

 

 

物語は、大学教授の犀川と学生の西ノ園萌絵が、謎の天才プログラマー真賀田博士が15年以上も引きこもって生活をしているという研究所に赴くことで始まります。

研究所は無人島にあり、一切窓がなく、設備は全て強固なセキュリティにより保護されたプログラムにより制御されています。

真賀田博士は、その地下、入り口が一つしかない部屋で15年以上も引きこもって生活をしていたのです。

そんな研究所に二人が赴くと、突然プログラムが暴走します。

そんなごたごたの中で右往左往している二人を尻目に、なんと真賀田博士その人が何者かにより殺害されます。

完全な密室で行われた犯行の真相を、二人は地道な調査で解き明かしていくのです。

 

 

物語の特徴は、 二つあると思います。

一つ目が、魅力的な登場人物達です。

主人公の二人もさることながら、殺害される真賀田博士やその他の研究員なども、語り口や考え方が面白かったりと、すぐに頭にイメージ出来るくらい特徴のあるキャラクター達ばかりです。

400ページ以上という長い物語でありながら、登場人物たちの会話を楽しんでいるだけでサクサク読めてしまいます。

 

二つ目が、理系の要素がふんだんに盛り込まれていることです。

主人公二人がそもそも理系の人間なので当然ですが、研究所、プログラミング、仮想現実など、理系な要素が非常に多く盛り込まれています。

文系の私にとっては、「研究ってこんな感じなんだ」と新鮮でした。

タイトルも、この理系の考えが非常に深く関係しています。

一応SEをやっている人間としては、タイトルの意味を知ったときは、「なるほど!」と手を打ちました。

 

一方で、個人的に残念だった部分は、最後のトリックです。

「確かにそう考えるのが正しいのだろうけど…」と思いつつ、「ちょっと無理やりすぎないか?」という突っ込みもしたくなる内容です。

自分がミステリー慣れしていないから深読み出来ないだけかもしれませんが、個人的にはちょっと腑に落ちないトリックでした。

 

 

作品のテーマなのかは分からないですが、「自由とはなにか」ということが問われていたように思います。

例えば、研究所はすべての設備がプログラムにより集中管理されているため、鍵や電話機などはありません。

その支えをもとに、研究員たちは自由に研究を行っている訳です。

ですが、ひとたびプログラムに不具合が発生すると、その便利だったもの全てが使えなくなり、不自由が生じます。

自由と信じていたものが、失われた瞬間に不自由になる、あるいは、人により自由の定義は異なる、そんなことを問うているのかと思います。

真賀田博士が殺害された理由にも、そんな要素が絡んでいるので。

ただ、そのようなテーマがあることを私は明確に読み取ることは出来なかったので、もしかしたら違うのかもしれません。

そこが、人間とコンピューターの違うところですね。

 

 

この犀川&萌絵シリーズは、この作品をスタートとして、結構な作品数刊行されているようですね。

じゃあ、他の作品も読んでみるかといわれると、ちょっと良いかな、という感じです。 

一応、名前は知られているので読んでみた作品。

ご興味のある方は、是非、ご一読を。

 

すべてがFになる (講談社文庫)

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