緩くいこうぜ、人生長いんだ。

What matters is how you live your life.

最悪の出来事

先日、初めてパーソナルトレーナーの体験トレーニングを申し込んでみた。トレーニング自体はそこそこやっているのだが、いかんせん自重だし自己流なので、ここいらで一つプロの意見を聞いてみたいと思ったのだ。ところが、これが本当に酷い出来事になった。

 

申し込んだ時間になり、提携しているジムの前で待っていると、トレーナーが到着。開口一番にトレーナーが口にしたのは、挨拶ではなく「ジムの会員じゃないんですか、だったら先に言ってください」という文句だった。いやいや、サービスにはジムの会員になる必要ないって書いてあるんですけど、といきなりショックを受けた。

「じゃあ、これカード」とぞんざいに入店カードを渡され、入店した後、店内の席に座って話を始めるやいなや、トレーナーから「正直、あなたのプロフィールや目的を見ると、一回だけのトレーニングでは私には何もできません」と言われた。開いた口が塞がらないとはこのことである。曰く、そのトレーナーは厳しい人で、本気で大会を目指したり、相当の覚悟を持っている人しか相手にしないとのこと。確かに、プロフィールを見ると厳しい人というのはわかるのだが、まさか開口一番拒絶されるとは思わなかった。こちらとしては、体験なのでまずは気軽な感じで試してみようと思っていたのに、どうにもテンションが違っていたようだ。

「では、お願いすると何をするのですか」と聞いてみたところ、「お金をもらっていますから、その分だけはやりますよ」と言われた。何その態度。これまでにないくらい不快な気持ちになった私は、「だったら本日はキャンセルでいいです」と言った。すると、「そうですか。当日キャンセルなので返金できませんよ。お互い規約を理解しているので、クレームとか入れないでくださいよ」と言われた。もうここまで呆れるとこちらも意地である。「構いません。キャンセルで」と伝えると、「そうですか。普通の人は一回くらい受けるんですけどね。あなたは違うようです。こちらも気分が悪いので、今ここで返金します」と言ってきて、体験トレーニング代を返金してもらった。そして返金が終わった瞬間に「ではこれで」と言って、舌打ちしながら踵を返して帰っていった。後ろ姿からは、「この俺の貴重な時間を奪いやがってクソが」という無言の怒りが感じられた。

もう私は唖然である。え、こっちが悪いの?こっちも時間とお金を払ってきているのに、なんで不快な思いをして、さらにまるでこっちが悪いみたいなこと言われなきゃいけないの?さすがに納得しない私は、トレーナーの紹介元サービスに、上述の出来事とともに不快な思いをした旨、苦情を入れた。幸い、サービスの運営会社自体の対応は非常に良かったので、こちらとしてもそれ以上腹を立てることはなかった。本当にトレーナー個人の問題だった。

 

トレーナー自身にもスタイルや得意分野があるのはわかる。よりよりサービスをきちんと提供するために、顧客を選別する必要があるのもわかる。そのような事情に対し、私の目的がはっきりしていなかったというのも問題であるのは認める。しかしである。客商売で、こちらは体験トレーニングを受けにきている身であるのだから、いきなり拒絶するのはいかがなものだろうか。仮にトレーニング初心者だとしたら、今回の件で、せっかく生まれたやる気がしぼんでしまうに違いない。それは、トレーナー個人だけでなく、業界全体にとってマイナスであろう。トレーナー個人のスタイルを貫くのは構わないが、それにより他の人が不利益を被るなら、そんな信念ない方がいい。

私は、「お客様は神様です」という標語を信じないし、サービスを提供する側にも顧客を選ぶ権利はあると思っている。しかし、であればこそ、顧客が不快な思いをせず、納得して適切なサービスを受けられるように選別をするべきだ。サービス提供者側が上に立ち、一方的に顧客を選別するのは正しくない。金銭とサービスという等価のやり取りをしているのであれば、その関係はどこまでも対等であるべきだ。知識や経験を武器にマウンティングするのは、サービスではなく暴力だ。

 

その後、サービスの運営会社とやり取りをして、トレーナーから私の個人情報が見られないようにすることや、トレーナーに事情を聞き、サービスの改善を徹底することなどを約束してもらった。代表自ら電話をしてきてくれて、非常に丁寧な対応をしてくれた。言葉の端々から本当に申し訳なく思っている様子が感じ取れたし、運営会社は悪くないので、少し間を空けて、他のトレーナーさんを申し込んでみるかもしれない。

 

今回の件は、私にとって結構重要な出来事だったように思う。初めて苦情というものを入れたし、自分にとってトレーニングとは何かを考える機会になった。ただ、一日をモヤモヤしたまま過ごすことになったのは残念である。でもまぁ、幸い今は、私の腹の虫もなりを潜めたようだ。

 

※個人の名誉のため、個人名等は伏せております。